ヘリコバクター・ピロリ菌検査
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因となるだけでなく、胃がんのリスクを高めることが知られています。ピロリ感染者の胃がん発症率は、非感染者の約3倍と言われております。除菌の増加や定期的な内視鏡検査を心がける方が多くなり、胃がんは減少の一途を辿っています。しかし未だに全体の疾患での胃がん死亡率は男性では第3位、女性では第5位となっております。保険診療でピロリ菌に感染しているかを調べる、または治療をするには胃カメラが必須となっております。これを機に胃カメラをやって「がんがない」ということの確認、およびピロリ菌の検査を検討しましょう。
ヘリコバクター・ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の中に生息するらせん状の細菌です。主に幼少期に感染し、慢性的な胃炎を引き起こす原因となります。感染経路はまだ完全には解明されていませんが、経口感染(口から入る)が主な原因と考えられています。
ピロリ菌は、胃の粘膜を保護する物質を分解し、胃酸に対する抵抗力を弱めるため、胃の炎症を引き起こしやすくなります。
ヘリコバクター・ピロリ菌検査が必要な方
以下のような症状や状況に当てはまる方は、ヘリコバクター・ピロリ菌検査を検討されることをおすすめします。
- 胃の痛みや不快感がある
- 胸やけや吐き気が頻繁にある
- 食欲不振や体重減少がある
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
- 胃がんになった家族がいる
- 慢性胃炎と診断されたことがある
- 内視鏡検査でピロリ菌感染が疑われた
- 口臭が気になる
ヘリコバクター・ピロリ菌検査の種類
当院では、患者さんの状態やご希望に合わせて、以下の検査方法をご用意しています。
尿素呼気試験
検査薬を服用し、服用前後の呼気を採取して、ピロリ菌の有無を調べる検査です。一番精度の高い検査となり、当院ではこの検査を推奨しております。
便中抗原検査
便の中にピロリ菌の抗原が含まれているかどうかを調べる検査です。精度が高い検査です。
血液検査(抗体検査)
血液中にピロリ菌に対する抗体があるかどうかを調べる検査です。健診でよく陽性となり受診する方が多いですが、抗体値が低い場合は実際には陰性(いなかった)のことが多いので注意が必要です。
内視鏡検査(組織検査)
内視鏡で胃の粘膜を採取し、顕微鏡でピロリ菌の有無を調べる検査です。採取したところにピロリ菌がいなければ、他にいても陰性となる事がありますので注意が必要です。
ヘリコバクター・ピロリ菌の治療法
ピロリ菌感染が確認された場合、除菌治療を行います。除菌治療は2種類の抗菌薬と1種類の胃酸を抑える薬の計3剤を、朝・夕の2回1週間服用する方法で行われます。
除菌成功率は薬剤耐性の増加により約70%前後と言われていますが、1次で不成功でも使用する抗菌薬を変更して、2次除菌療法を行うと約90%の除菌率と言われています。
ヘリコバクター・ピロリ菌検査についてのよくある質問
Q: 検査を受ける際の注意点はありますか?
検査の種類によって異なりますが、尿素呼気試験の場合は、検査前4時間は絶食が必要です。また、除菌治療中は、アルコールや刺激物の摂取は控えてください。
Q: 除菌治療に副作用はありますか?
通常の抗生剤の副作用と同じですが、特に多いのは下痢、軟便が約20%、味覚障害が約9%です。症状がひどい場合は、医師にご相談ください。
Q: 除菌治療後、再感染することはありますか?
除菌治療に成功した場合、再感染のリスクは低いですが、まれに再感染することがあります。除菌後の再検査は必要ありませんが、除菌できたからといって発癌しないわけではありませんので、1年に1回の定期的な胃カメラをしましょう。
院長より
当院では、診断率の高い尿素呼気試験で感染の有無、除菌後の評価をしております。保険診療ではピロリ検査の前に胃カメラをすることが必須になっています。それは、感染を疑った時点で胃がんが存在しないかを確認することが重要だからです。胃がんがありましたらピロリ菌の除菌どころではありません。正確に判断してから発癌の予防、潰瘍再発の予防とし除菌しましょう。
